TOBE広報 webマガジン
vol.7

2020年9月
ワクワクの想いを貪欲に。知ること、繋がることで拓けた「伝える」という仕事

阿部 薫さん
ABE KAORU

キクカク企画代表

 子どもの頃の夢は小説家でした。しかし知識も経験もない自分から広がらない物語の世界。そんな時、無限に知識が得られる図書館の素晴らしさを知り、本へと導いてくれる図書館司書になりたいと思ったのが、山形女子短期大学(現東北文教大学短期大学部)を選んだきっかけでした。
 短大には「学びたい」「体験したい」にしっかり向き合ってくれる先生方がいました。本来私には単位が必要のない授業をこっそり受けさせてくれたり、それまでなかった弓道部の立ち上げに力を貸してくれたり、県が主催する学生交流イベントに参加させてくれたり。おかげで知識の深め方を学び、地元社会人や他大学にかけがえのない仲間ができました。
 超就職氷河期だった当時、学校図書館司書を目指しながらも、企業への就職も必死に検討していました。そして短大で開催された卒業生の講演に出席。広告代理店に勤務する女性の活き活きと話す姿に感銘を受け、広報業の魅力に気付きます。卒業後に広告代理店に就職しお客様の「伝えたい」に寄り添い、様々な広報媒体で情報を発信してきました。卒業・転職してからも、山形の歴史や自然環境、民俗学、たくさんの情報を提供してくださった先生方には本当に感謝しています。
 自分の中の世界は今でも小さなものですが、ぐるりと見渡し誰かと繋がれば、どこまでも興味深い世界が広がっていました。そのワクワクを誰かと共感できたなら。私はそんな広報という仕事が大好きです。人生において誰しも結婚や出産・育児などの転機が訪れます。しかし自分の中にあるワクワクする想いを大切にしていたら、きっとやりたい仕事への道は拓けるのだと今は実感しています。

1980年生まれ。
酒田市立酒田中央高等学校出身。
2001年山形女子短期大学(現東北文教大学短期大学部)国文科卒業。
広告代理店、印刷会社などで経験を積み、フリーランスとなり、広報誌やホームページなどの企画・編集、ナレーションやイベントの司会をしている。

図書館学に関する情報の活用法や、教育に関する基礎知識を学び、学校図書館司書への興味を深める


短大で開催された、広告代理店に勤める卒業生の講演に出席

活き活きと話す姿に感銘を受け、自らも同じ道に進みたいと思う


広告代理店の勤務を経てフリーライターとして独立するも仕事量が少なく、アルバイトをしながら模索。翌年には印刷会社に勤務。多様な分野の広報業務に携わる


第一子出産。家庭と仕事を両立するために、再びフリーランスに。故郷の遊佐町や、現在の活動拠点である米沢の商工会議所青年部で積極的に交流・情報交換をし、繋がりを築く


その人の「伝えたい」想いに寄り添いながら、丁寧に言葉を紡いでいる。広報業務に関する仕事の依頼を受け、県内外で活動をしている