TOBE広報 webマガジン
vol.8

2021年3月
失敗も苦労も厭わず重ねた経験と交流が今の自分の宝に

吉田 宣弘さん
YOSHIDA NOBUHIRO

社会福祉法人輝きの会総合福祉施設いきいきの郷 介護員

 介護に興味を持ったきっかけは、認知症を患っていた祖母の存在。今ほど介護に関する情報が身近にはなかった当時、母は手探りながら懸命に祖母を介護していました。さらに仕事に、小学生だった私の育児にと忙殺される日々。「家族に一人でも介護に精通した人間がいれば、もっと自分たちの時間と体力を上手に使えるはず」。そんな思いから、介護職を志すようになりました。
 現在は特別養護老人ホームの介護員として、利用者様の衣食住に関わる身の回りのケアを担当する毎日です。私が常に接するのは、自分よりも2倍も3倍も年上の方々。戦時中の話や山形の歴史、昔からの生活の知恵など、利用者様から教えていただいたことは数知れません。それは利用者様の〝生活の場〞に日常的に介入できる介護員ならではの仕事の醍醐味だと思います。
 短大時代、介護現場で経験を積んだ先生方の指導はとても実践的でわかりやすく、学生の私たちに「伝えたい」という真摯な思いがひしひしと伝わってきました。2年間という限られた学生生活の中で、私が強く意識していたのは時間の使い方。それから一人でも多くの人と出会い、一つでも多くの経験を積むことです。それは大学が学びの場であると同時に、人脈を広げる場でもあるから。短大ではもちろん、編入した大学でも自分の学科を越えて積極的に交流を続け、今では県外や異業種にたくさんの仲間ができました。人のご縁はどこでどう繋がるかはわかりません。学生のみんなにも一つでも多くの出会いを重ねてほしいです。
 すべての経験は自分の糧になる―。その信念は今でも変わらず、現在は労働組合の委員長を務めています。みんなのアイデアに耳を傾け、職場をより良い環境にしていけたらいいですね。

昭和62年生まれ。
平成20年山形短期大学(現 東北文教大学短期大学部)人間福祉学科卒業。
同年、東北文化学園大学に編入。
平成22年から総合福祉施設いきいきの郷に勤務し現在に至る。

卓球部のほか、サークルを5つ掛け持ちしエネルギッシュに毎日を過ごす


人生に一度きりしかできない経験と感じ、学生自治会の副会長に就任。さまざまな学内イベントを主導する


人脈をさらに広げるために編入した他大学で実習を経験。利用者の意向を最優先にして柔軟に対応する施設の方針を目の当たりにし、感銘を受ける

介護に対する視野を広げるきっかけに


職歴11年のベテラン介護員、並びに労働組合の委員長として周囲から頼りにされる存在に。実習生の指導にもあたっている